全国ヘモフィリアフォーラム 2013 (東京)
2010年、11年に続いて開催された本フォーラムであったが、今回からは一般社団法人ヘモフィリア友の会全国ネットワークが開催主体となった。
今回のフォーラムのスローガンは「Your Life! —今を見つめ、未来を語る」。
長時間作用型製剤や遺伝子治療など、血友病治療の大きな進歩・発展についての声が聞こえてくる一方で、日本の医療環境の変化の波が押し寄せてきている状況について深い議論が交わされた。

開催報告書(PDF)をダウンロード
フォーラム2013フォトレポート(1日目)
フォーラム当日のようすを写真でリポートします。まずは4月13日。

オープニング

阿部晋樹

佐野竜介

福武勝幸氏

加藤誠実課長
基調講演
「TREATMENT FOR ALL: すべての血友病患者に治療を—途上国の状況—」
世界血友病連盟(WFH)の元医療担当副会長アリソン・ストリート氏


WFHは今年設立50周年の血友病患者の世界組織。世界の血友病患者の70%が診断を受けておらず、75%が満足な治療を受けていない現状とそれに対するWFHの施策が説かれました。
2年に一度、WFHは世界大会を行っていて、今度は来年にオーストラリアのメルボルンで開催されます。因みにアリソン・ストリート氏はオーストラリアの方です。
パネルディスカッション
「世界における日本の役割—日本の血友病医療は先進的か?」
日本の血友病治療は、製剤の安全性や安定 供給の面では非常に先進的です。
一方、フリーアクセスな医療機関の状況などを反映して、患者さんが数多くの医療機関に散らばって治療を受けている状況にあ ります。
こうした日本の治療環境などについて、さまざまな討議が行われました。




WFHは途上国の血友病治療の向上のため、さまざまな施策を行っていますが、日本は加盟国にも関わらず、それらに関与していません。そこで、ヘモフィリア 友の会全国ネットワークでは、日本の国産凝固因子製剤を、WFHに寄付していただくよう、日本赤十字社にこのたび要望しました。
このフォーラムの前日、ヘ モフィリア友の会全国ネットワークは、今回来日されたWFHのアリソン・ストリート氏、ロバート・レオン氏(アジア太平洋地域マネージャー)とともに厚生 労働省を訪問し、血友病の世界的状況、WFHの施策、製剤寄付に関するWFHの方針などについて説明を行いました。




このパネルディスカッションの席上で、全国ネットワークの佐野から、この製剤寄付に関しての活動が報告されました。
また、アリソン・ストリート氏、厚生労 働省で対応していただいた加藤課長もこの件に関しコメントされました。
福武氏も日本の血漿分画製剤の国際化には積極論者であり、賛同を示されていました。
フォーラム2013フォトレポート(2日目)
分科会報告
二日目は午前に分科会が行われました。
5つのテーマに分かれ、皆さんで様々な議論が行われました。
「若者・次の世代」分科会の報告
報告はコーディネーターの池上正仁(大阪ヘモフィリア友の会)とファシリテーターの小島賢一氏(荻窪病院)

「女性・保因者」分科会の報告
報告はファシリテーターの下司有加氏(国立病院機構大阪医療センター)
今回特に盛況であったと思われる分科会。血友病と女性に関する問題は、最近特にクローズアップされています。

「長期的な生活設計」分科会の報告
報告はファシリテーターの伊賀陽子氏(兵庫医科大学)

「インヒビター」分科会の報告
報告はコーディネーターの松本剛史(三重大学)
こちらも今回盛況でした。インヒビター患者の方々は少ないのですが、通常の治療製剤が効かないという大変な問題があるため、今後の治療の発達が期待されます。

「類縁疾患」分科会の報告
類縁疾患は今回初めて開催した分科会です。こぢんまりとした分科会でしたが、みなさん会場を去りがたいようすで、話が続いていました。
13日の基調講演で話されたことですが、WFHによると、世界の人々の千人に一人は止血の異常を持っているとのことです。軽症のフォン・ウィレブランド病 が極めて多いのです。日常生活に支障はないのですが、手術などで止血が困難になる場合があります。希少疾患と思われがちですが、保因者の方に見られる出血 症状も含め、その裾野は非常に広いといえます。

総括シンポジウム
地方の医療格差、情報の重要性、患者会のあり方などについて、討論が行われました。







クロージング

最後に奈良県立医科大学の嶋緑倫氏からご挨拶をいただきました。
参加された皆さま、講師やファシリテーターをお願いした方々、ボランティアスタッフとしてお手伝いいただいた方々(託児は特に大変!)、本当にあり がとうございました。
そして、最後になりましたが、今回の開催に当たり、資金援助していただいた各社の方々にも、厚く御礼申し上げます。